粗大ごみにまつわる不思議な体験談

物持ちのよい独居老人宅だった家、孫の依頼でリフォームの為に粗大ゴミ処分を依頼されたが…

骨董品

粗大ごみの処理と言いますと、家電製品を思い浮かべる人が少なくありません。無限に使えるものなどこの世にはありませんし、大抵のものが数年ごとにモデルチェンジをすることを思えば、それが大量に廃棄されるのもうなずけます。
私の友人に、その粗大ごみの処理をやっている人がいるのですが、彼はその仕事柄不思議なものを見聞きしています。今回紹介する話は、彼の体験談なのです。 
その家は、元々が独居老人宅だったそうです。親類知人が近くにいる場所から離れたくなかった老婆が終の棲家と定めていたところだそうで、外観からそんな感じがしていたそうです。

そして、その家の中にある家電製品や家財道具の処分を頼んだのは、家を引き継いだ、その老婆のお孫さんでした。物持ちのよかった人らしく、家の中にある家電製品や家財道具のたぐいは、どれも古くさい感じがしました。これならば若い人が邪魔だと感じるのも無理はありません。近々リフォームする予定だそうで、そういう意味からも片付けが必要なのもうなずけたそうです。

老婆の嫁入り道具であった鉄製の大型タンスはまるでタイムカプセル

「とにかく全部片付けて欲しい」と頼まれた彼の会社は、大型のトラックと屈強な男たちを引き連れて現場に臨みました。 本職なものですから、そうしたものの処理は速く、たちまち屋内は空っぽになるかと思われました。
しかし、そんな彼らの目の前に、やっかいな存在が立ちふさがりました。鉄製の大型タンスです。何でこんなものがあるのかと言いますと、その老婆が嫁入り道具の一つとして持ってきたものだそうで、今はもう見かけないタイプの家財道具です。「こんなものいったいどうやって動かせばいいんだ」と彼らは途方に暮れましたが、プロとしての意地があります。引き出しの中身をとりあえず放り出して、重量の軽減が図られることになりました。すると、物持ちのよい老人特有の、変わったものが次々と出てきました。薄汚れた、江戸時代の古銭、裏に新聞紙が貼られた、戦前の紙幣、大正年間の新聞紙、昭和の頃のチラシ、何かのお札など、なんでこんなものを取っておいたのだと首をかしげたくなったそうです。
発見したものは、珍しくはあるが、金銭的な価値はなさそうなものばかりでした。そのため、一応家主に報告したのですが、いらないから捨てておいてくださいと返されただけで、結局のところそれらは廃棄処分されました。
内容物を全て引き抜かれた鉄製タンスは、それでどうにか動くようになり、そちらも処分されたそうですが、タイムカプセルみたいなものを抱えたところもあるのだなと、彼はさすがに不思議がっていました。私も全く同感だと感じました。